土地の評価(路線価方式)
土地の評価方法には、大きく分けて「倍率方式」と「路線価方式」の2つがあります。
今回は、そのうち 「路線価方式」を紹介していきます。
例) 山田 花子さん … 平成30年2月死亡。金沢市在住。
1. 固定資産税課税明細書
平成30年5月、金沢市役所から 固定資産税課税明細書が届きました。
この明細書には、花子さんが金沢市内に所有するすべての不動産が
記載されています。
2. 評価倍率表
国税庁は、毎年、評価倍率表を公開しています。
評価倍率表とは、土地などを評価するときの指針となるものです。
固定資産税課税明細書を確認したところ、
花子さんは、金沢市中央町1丁目1番1号に宅地を所有していました。
この宅地は、花子さんの自宅の敷地で、面積は200㎡です。
この土地の評価をしていきます。
国税庁ホームページ → 評価倍率表
石川県 → 金沢市 → 中央町 の順に検索していきます。
すると、中央町は、
「市街化区域」と「市街化調整区域」の2つの区域によって、
評価方法がちがうことが わかりました。
「市街化区域」 … 「路線」
「市街化調整区域」… 「1.1」 と表示されています。
金沢市役所 資産税課に確認したところ、
金沢市中央町1丁目1番1号は、「市街化区域」に所在することがわかりました。
評価倍率表で、「市街化区域」の宅地は、「路線」 と表示されています。
「路線」と表示されているということは、「路線価」を使って、宅地の評価を
して下さい、ということです。
3. 路線価図
「路線価」とは、宅地が面している道路に付けられている価額です。
評価しようとする宅地の1㎡あたりの金額を指しています。
路線価 × 面積 = 評価額 となります。
花子さんの所有している宅地は、評価倍率表で調べたところ、
路線価で評価することが わかりました。
評価しようとする土地の「路線価」を調べたいときは、「路線価図」を使用します。
国税庁ホームページ → 路線価図
石川県 → 金沢市 → 中央町 の順に検索していきます。
すると、中央町には、路線価図ページ番号という5ケタの数字が
「24444」「24445」と2種類並んでいました。
この「24444」「24445」をクリックすると それぞれの路線価図が表示されます。
◇ 住宅地図で位置を確認しましょう。
住宅地図を見ながら、評価する土地の位置を確認します。
周りの道路の形状がどうなっているか、どの道路沿いに面しているか、
確認しましょう。
住宅地図で、中央町1丁目1番1号の位置が確認できました。
次は、中央町で検索した路線価図「24444」「24445」から、評価しようとする
土地の位置を特定していきます。
まず、 ・ 近くに大きな幹線道路が走っている
・ 隣に大学病院がある など、
ポイントとなる場所を探していくと わかりやすいのではないでしょうか。
次に、評価する土地の周りの道路がどんな形状なのか確認します。
住宅地図と照らし合わせると、
・ 大きなカーブから一本入った路地にある
・ 行き止まりの道沿いにある など、
周りの道路の形状を参考にすると、位置の特定がしやすくなります。
このような作業をした結果、
金沢市中央町1丁目1番1号の宅地は、路線価図「24444」に
路線価が表示されていることがわかりました。
面している道路には、← 65E → と表示されています。
路線価は、千円単位で表示されているので、65 =65,000円 になります。
路線価 × 面積 = 評価額 となりますから、
65,000円 × 200㎡ = 13,000,000円 となりました。
※ 65Eの ” E ” というのは、借地権割合を示した記号です。
今回、花子さん所有の土地は、自宅の敷地だったので、
借地権割合を考慮する必要はありませんでした。
今回は、路線価を使った評価方法を シンプルな例を使って 紹介させていただきました。
実際は、この基本形をもとに、
・ 複数の道路に面している
・ 土地の形がいびつ
・ 他人に貸し付けている ほか 様々な要素を考慮して評価していきます。
評価倍率表と路線価図は、毎年夏頃 公表されます。
平成30年2月に開始した相続の場合は、平成30年分の評価倍率表と路線価図を
参考にしなければなりません。
ちなみに 平成30年分は、7月初めに公表されるようです。
税理士法人みらいサクシード
(旧 小林花代税理士事務所)
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