相続時精算課税(住宅取得等資金として贈与する場合)とは
☆ 相続時精算課税(住宅取得等資金として贈与する場合)は どんな制度か
◎ ポイント!
贈与者が、60歳未満であっても、相続時精算課税を適用できます。
通常、相続時精算課税を適用するときは、贈与者が60歳以上でなければなりません。
しかし、住宅取得等資金の贈与については、
贈与者が、60歳未満であっても、相続時精算課税を適用できます。
下記に該当するときは、住宅取得等資金の贈与(2,500万円まで)について
相続時精算課税を利用することができます。
〔 適用できる期間 〕
平成33年12月31日まで
〔 対象になる資産 〕
受贈者が、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得または増改築の対価に
充てるための金銭
〔 贈与者 〕
父母 または 祖父母 … 贈与の年の1月1日において 60歳未満であっても ОKです。
〔 受贈者 〕
下記の すべてに該当することが要件です。
① 子、孫 であること
② 贈与を受けた年の1月1日において 20歳以上 であること
③ 配偶者や親族など 特別の関係がある人から 住宅用の家屋を取得していないこと
④ 配偶者や親族など 特別の関係がある人との請負契約により、新築や増改築を
していないこと
⑤ 贈与を受けた年の翌年3月15日までに 住宅取得資金の全額を充てて
住宅用家屋の新築等をすること
⑥ 贈与を受けた年の翌年3月15日までに その家屋に居住すること
または、同日後遅滞なく その家屋に居住することが確実であると見込まれること
※ 贈与を受けた年の翌年12月31日までに居住しないときは、特例の適用は ありません。
⑦ 受贈者である子や孫が 住宅用の家屋を所有すること
⑧ 贈与を受けたときに日本に住所を有していること
〔 対象となる家屋の要件 〕
① 床面積の2分の1以上が居住用であること
② 床面積が50㎡ 以上 であること
※ その他一定の場合
〔 増改築の要件 〕
① 工事に要した費用の額が 100万円以上であること
② 増改築後の床面積が50㎡ 以上で、床面積の2分の1以上が居住用であること
※ その他一定の場合
☆ ポイント !
住宅取得資金の贈与を受けた場合、
「相続時精算課税(住宅取得等資金として贈与する場合)」と併用して
「直系尊属からの住宅取得資金の非課税制度」を適用できます。
※ 直系尊属からの住宅取得資金の非課税制度とは…
20歳以上の子や孫に、住宅取得等資金の贈与をした場合、一定金額まで
贈与税が非課税となる制度です。
※ 注意点
上記の2つの制度を併用する場合、まず、「直系尊属からの住宅取得資金の非課税制度」
を考慮し、その残額について、「相続時精算課税制度」を適用することとなります。
例)平成29年中に、父(58才)から 4,000万円、母(57才)から 1,000万円の
住宅取得等資金の贈与を受けました。( 省エネ等住宅ではありません。)
① 父からの贈与
4,000万円 - 700万円 - 2,500万円 = 800万円
住宅取得資金の非課税 相続時精算課税
800万円 × 20% = 160万円(贈与税額)
相続時精算課税
にかかる贈与税率
② 母からの贈与
1,000万円 - 1,000万円 = 0円
相続時精算課税
※ 翌年以降に繰り越される相続時精算課税の特別控除額 → 1,500万円
☆ 直系尊属からの住宅取得等資金の非課税制度は、上記のケースの場合、
受贈者1人につき700万円が 限度となります。
上記の場合、父からの贈与について700万円まで非課税を適用したので、
母からの贈与について 非課税制度の適用を受けることはできません。
税理士法人みらいサクシード
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