暦年贈与とは
☆ 暦年贈与は どんな制度か
1月1日から12月31日までの1年間に、贈与により取得した財産の価額の合計から、
基礎控除額である110万円を控除した残額に対して、贈与税が課税されます。
したがって、その1年間に贈与により取得した財産の価額が 110万円以下であれば、
贈与税は課税されません。
1年間に複数の人から贈与を受けた場合、財産の贈与を受けた人(受贈者)1人が、
複数の人から贈与を受けた財産の合計額が 110万円を超えるときは、贈与税の申告が
必要となります。
贈与税の申告および納税は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に
行わなければなりません。
☆ 暦年贈与のメリット
① 計画的に贈与すれば、相続税より少ない税負担で財産を移転することができます。
贈与税は相続税と同様、超過累進税率により計算します。
そして 贈与税は相続税よりも 税率が高く設定されています。
しかし、相続財産の金額いかんによっては、生前に贈与するほうが有利な
ケースがあります。
例)1年間で 310万円の贈与 → 1年分 の贈与税は、 20万円( 実質 6.5%の税負担 )
10年間で 3,100万円の贈与 → 10年分の贈与税は、200万円( 実質 6.5%の税負担 )
このケースでは、実質6.5%の税負担で 3,100万円の財産を移転しました。
相続税は、最高55%の税率で課税されます。
将来の相続財産が多額にのぼり、相続税率が6.5%よりも高くなる場合には、
生前に贈与をしたほうが得策であるといえます。
◎ ポイント!
〔 長期間にわたって贈与を行う場合の注意点 〕
例えば、10年間にわたって毎年110万円ずつ贈与するという契約を
した場合、契約時に一括して1,100万円の贈与があったものとして
贈与税が課税される可能性があります。 → 暦年贈与のデメリット② 参照
② 贈与があった年の税法によって課税されるため、
将来、税法が改正されても その影響を受けることはありません 。
③ 相続時精算課税制度へ移行することができます。
☆ 暦年贈与のデメリット
① 贈与税は相続税よりも 税率が高く設定されています。
相続財産が多額な場合、短期間で移転できる金額は少額と言わざるを得ません。。
② 贈与者と受贈者の間で、長期間にわたる贈与の契約をすると、
契約時に 長期間にわたる贈与金額の合計額を一括して贈与したものと
みなされる可能性があります。
1年ごとの贈与金額に対してではなく、複数年の贈与金額の合計額に対して、
贈与税が課税されるため、税率が、非常に高くなる恐れがあります。
③ 贈与を行ってから3年以内に 贈与者が死亡した場合には、贈与財産の価額を
贈与者の相続財産に加算しなければなりません。
◎ ポイント!
〔 3年以内でも相続財産に加算されない場合 〕
相続財産に加算されるのは、相続または遺贈により財産を
取得した人に限られます。
将来、相続により財産を取得する予定がない親族に贈与した場合は、
相続財産に加算する必要は ありません。
税理士法人みらいサクシード
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