相続は、手間がかかる

道路に面していない土地の評価

石川県の相続税専門税理士

金沢市、野々市市、白山市、小松市を中心に活動しています!

ブログをお読みいただき、ありがとうございます。

 

先日、こちらのブログで、農道に接している水田を評価したときの

体験談をお話させていただきました。この農道には路線価が設定されていなかったので、

特定路線価の設定を検討してみました。

ところが、特定路線価は、国道や県道などの道路でないと設定してもらえません。

結果的に、この水田は、道路に面していない土地、いわゆる「無道路地」として

評価することになりました。

 

今回は、評価しようとする土地が道路にまったく面していなかった

ケースをご紹介したいと思います。

 

〔 小道にみえたが、他人の土地だった… 〕

   評価対象となった土地は、宅地で、某施設の敷地と駐車場として使用されていました。

 路線価のついている道路には面していません。路線価のついている道路から、

   車が一台 通行可能な程度の小道を通り抜けると、この宅地がありました。

 某施設を利用する人は、必ずこの小道を利用しなければなりません。

 

 調べてみると、この小道にあたる地面は、他人所有の土地であることがわかりました。

 某施設の利用者は、毎回、私有地を通り抜けていたことになります。

 道路に面していない土地は、無道路地として、評価減の対象になります。

    

 無道路地を評価するときは、路線価のついている道路から評価対象となる土地まで、

 仮の通路を開設したと想定します。(あくまでも評価上の設定です。)

 

 今回のケースでは、仮の通路を開設したと想定しなくても、

   実際に通路と同様に利用している私有地があったことになります。

 私は、無道路地として評価する際、通路と同様に利用している

   この私有地部分を測量して仮の通路としてもよいか悩みました。

 この私有地(小道)の両側には、建物が建っていました。

 私は、この事例について、税務署に相談したところ、この私有地を仮の通路と

   想定せず、図面上、路線価のついている道路から仮の通路を開設してください。

  という回答をいただきました。

 

  現地に測量、確認に行きますと、本当にいろいろな事例にあたります。

  すぐに判断ができないような場所のときは、何度も足を運び、違う視点から

  その場所を見るように心がけています。