相続は、手間がかかる

相続財産を寄付したときの特例

石川県の相続税専門税理士

金沢市、野々市市、白山市、小松市を中心に活動しています!

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相続または遺贈により取得した財産を 国や地方公共団体などに寄付した場合、

その寄付した財産については相続税の対象とならないという特例があります。

どのような場合に、この特例を受けることができるのでしょうか。

また、他の税法との併用は可能なのでしょうか。

注意しなければいけないポイントなども併せて紹介していきます。

  

〔 寄付する財産は? 〕

 相続や遺贈によって取得した財産であること

   (生命保険金や退職手当金も含まれます。)

  

〔 いつまでに寄付すればよい? 〕

  相続税の申告書の提出期限まで

  

〔 どこに寄付した場合、適用される? 〕

          国や地方公共団体

          教育や科学の振興などに貢献することが著しいと認められる特定の公益法人

       例) 赤十字社、ユニセフなど

  

〔 適用されない場合 〕

      ①   寄附を受けた日から2年を経過した日までに 特定の公益法人に該当しなくなった場合

      ②   特定の公益法人が 寄付された財産を 公益を目的とする事業の用に使っていない場合

  寄附をした人や その親族の相続税または贈与税の負担が 結果的に不当に減少することとなった場合

  

〔 注意が必要なポイント 〕

      上記にあるように、寄付をしたことで、相続税または贈与税の負担が

      結果的に不当に減少することとなった場合は、寄付をしたとしても 相続税の対象になります。

      次のような例が該当すると考えられます。

  

例 ) 鈴木一郎さんは、相続した財産をA公益法人に1,000万円 寄付しました。

          一郎さんは、その後、A公益法人の役員に就任し、1,000万円の報酬を

            受け取ることになりました。

                         ↓

           このようなケースでは、上記の特例は適用されず、寄付した1,000万円は、

           相続税の対象になるものと思われます。

  

〔 所得税の寄附金控除も適用できます 〕

     上記の要件に該当する相続財産の寄付を行った場合には、並行して

     所得税の寄付金控除を受けることができます。

 

寄附金控除の金額 = ( またはのうちいずれか低い金額 )- 2,000

            ①       その年に支出した寄附金の額の合計額

            ②   その年の総所得金額等の40%相当額