石川県の相続税専門税理士
金沢市、野々市市、白山市、小松市を中心に活動しています!
ブログをお読みいただき、ありがとうございます。
前々回から、相続税を計算する際、相続税額から控除することができる
「税額控除」を紹介しています。
今回は、配偶者の税額軽減 について紹介します。
以前こちらのブログで、遺産分割前に配偶者が死亡した場合の配偶者の税額軽減に
ついて触れさせていただきました。
今回は、相続税の計算をする際に、税額に大きな影響を与える
この制度について 改めて解説していきたいと思います。
〔配偶者の税額軽減とは 〕
☆ どんな制度か
被相続人の配偶者が、相続等により取得した財産の金額が、
◎ 1億6千万円と
◎ 配偶者の法定相続分相当額
のいずれか多い金額までは、相続税がかからないという制度です。
※ 配偶者の法定相続分は、各々の相続における相続人の構成によって
変わってきます。例えば、
相続人が妻と子供の場合 → 配偶者の法定相続分 1/2
妻と直系尊属の場合 → 配偶者の法定相続分 2/3
※ 直系尊属とは … 父母、祖父母などをいいます。
妻と兄弟姉妹の場合 → 配偶者の法定相続分 3/4 となります。
☆ この制度が作られた理由
被相続人が死亡したあと、配偶者の老後の生活保障をするためであり、
配偶者は、被相続人の遺産の維持、形成に大きく寄与したと
認められることがあげられます。
☆ ポイント
相続税の申告期限までに遺産分割が行われていない財産については、
配偶者の税額軽減の適用を受けることができません。
遺産が未分割のまま相続税の申告をするケースで、将来、配偶者の税額軽減の
適用を希望する場合は、相続税の申告書に
「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付する必要があります。
この見込書を添付した場合で、
◎ 申告期限から3年以内に分割がまとまったときは、
→ 税額軽減の適用を受けることができます。
◎ 申告期限から3年を経過する日までに分割がまとまらなかったときは、
→ 分割ができないことについて、やむを得ない事情がありました、と
税務署長の承認を受けなければなりません。
そして、その やむを得ない事情がなくなった日の翌日から
4か月以内に分割がまとまった場合は、税額軽減の適用を受けることができます。
※ 相続税の申告をしたあとに、配偶者の税額軽減の適用を受ける場合は、
分割がまとまった日の翌日から4か月以内に更正の請求をしなければ
なりません。
→ 更正の請求とは、既に行った申告について、納めた税額が
過大であった場合に、税務署に対し、納めすぎた税金の還付を
請求する手続です。