相続は、手間がかかる

生前贈与加算と贈与税額控除

石川県の相続税専門税理士

金沢市、野々市市、白山市、小松市を中心に活動しています!

ブログをお読みいただき、ありがとうございます。

 

前回、税額控除を適用していく流れを紹介しました。

今回は、暦年課税にかかる贈与税額控除について お話します。

なぜ、控除することができるのか、その仕組みも解説していきますね。

贈与税額控除の計算は、

生前贈与加算が行われたことを前提として、行われることになります。

 

〔 生前贈与加算とは 〕

  ☆ どんな制度か

    相続または遺贈により財産を取得した人が、亡くなった人から

    相続開始前3年以内に贈与を受けていたときは、

    その贈与された財産の価額(贈与時の価額)を

    相続税の課税価格に加算しなければなりません。

 

  ☆ この制度が作られた理由

    相続税は、超過累進税率で計算します。

    相続の時点で財産が少なければ、それに応じて税率も低くなります。

    相続の開始が近いことを知った被相続人が、生前に相続人等に財産を贈与することで

    相続財産を減少させ、相続税の負担を減少させることを防止するために、

    この制度が作られました。

 

  ☆ ポイント

    ① この制度はあくまでも相続開始前3年以内に贈与を受けていた財産が対象となります。

        そのため、贈与税の基礎控除額110万円以下の贈与であっても、

      すべて相続財産に加算しなければなりません。

      3年以内であれば、贈与税がかかっていたか否かに関係なく加算されます。

 

    ②   相続または遺贈により財産を取得した人が、贈与を受けた場合に、

      加算の対象となります。

      ということは、例えば、相続または遺贈により財産を取得しない

      お孫さんに贈与した場合は、加算されないということになります。

      相続等により、実際に財産を取得した人が、加算される対象者となります。

 

  ☆ 生前贈与加算されない贈与財産

    ・ 贈与税の配偶者控除の特例を受けた財産 

      ・ 直系尊属から住宅取得資金の贈与の非課税の適用を受けた財産 

            ・ 直系尊属から教育資金の一括贈与の非課税の適用を受けた財産

    ・ 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与の非課税の適用を受けた財産

 

 〔 贈与税額控除とは 〕

   相続税の課税価格に加算された贈与財産にかかる贈与税額を控除できます。

   加算税、延滞税などの付帯税を控除することはできません。