相続は、手間がかかる

相続が発生したあとに必要な確定申告

石川県の相続税専門税理士

金沢市、野々市市、白山市、小松市を中心に活動しています!

ブログをお読みいただき、ありがとうございます。

 

早いもので、もうすぐ師走ですね。

年が明ければ、まもなく 個人の確定申告の時期がやってきます。

ふだん、こちらのブログでは、相続や贈与にまつわる話題を紹介しています。

相続税と所得税(3/15までに行う確定申告)は、密接に関連しているので、

今回から数回に分けて、確定申告に焦点をあてていこうと思います。

 

今回は、相続が発生したあとに相続人が行わなければならない確定申告について ご紹介します。

相続人が行う確定申告には、以下の2つがあります。

 

 ・ 年の中途で死亡した方について、1月1日から死亡した日までの間に確定した

   所得について行う確定申告

 

          この申告は、相続の開始があったことを知った日の翌日から

          4か月以内にしなければなりません。これを準確定申告といいます。

 

 ・ 相続人が、例えば 賃貸不動産を相続したことによって、不動産収入を得ることになり、

       不動産所得について行う確定申告

 

   例) 山田 太郎 さん … 平成29年5月31日 死亡 

                                            賃貸アパートを3棟所有、毎月100万円の家賃収入がありました。

 

      山田 花子 さん  …   太郎さんの妻

 

      山田    誠 さん  … 太郎さんの長男 

                                            サラリーマン。 賃貸アパート3棟を相続しました。

 

〔 太郎さんの確定申告 〕

 

 平成29年1月1日から5月31日までの不動産収入は、100万円×5カ月=500万円です。

 不動産収入にかかる経費は、1月1日から5月31日までの間に相当する金額となります。

 相続人である花子さんと誠さんは、連署(※)により確定申告書を提出します。

 今回、太郎さんの準確定申告期限は、5月31日から4か月後の9月30日となります。

 

   ※ 連署とは … 同一の書面に 2人以上の人が署名することです。

 

         ※ 注意点

     今回、太郎さんが死亡したのは、平成29年5月31日でした。

       よって、太郎さんに関しては、平成29年分の確定申告をすることになります。

 

               ◎ 仮に、死亡日が平成29年1月31日だったら ・・・

        もし、太郎さんが、平成28年分の確定申告書を提出するまえ、

          平成29年1月31日に死亡していた場合はどうでしょうか。

                   ↓

                      この場合、平成28年1月1日~12月31日 までと

                                     平成29年1月1日~  1月31日 までの確定申告が必要となってきます。

 

                      この場合の申告期限は、

                      平成28年分、平成29年分ともに 亡くなった1月31日から4か月後の

                      平成29年5月31日が申告期限となります。

                      平成28年分の確定申告期限(平成29年3月15日)が猶予される形となるわけです。

 

〔 誠さんの確定申告 〕

 

     誠さんは、サラリーマンだったので、お勤めの会社で年末調整をしており、

     これまで、確定申告はしてきませんでした。

   今回、太郎さんから賃貸アパート3棟を相続したことにより、

   平成29年度以降は、給与所得と不動産所得について 確定申告をすることになります。

   平成29年6月1日から12月31日までの不動産収入は、100万円×7カ月=700万円となります。   

     不動産収入にかかる経費は、6月1日から12月31日までの間に相当する金額となります。

      

  ※ 太郎さんが年金収入のみの方で、医療費が多額だった場合、確定申告すれば、

    年金から源泉徴収されていた所得税が戻ってきます。

    この場合も、上記と同様、申告期限は5月31日から4か月後の9月30日となります。

 

  相続にかかわる医療費については、いつ、誰が支払ったか によって、相続税、所得税の

  取り扱いが変わってきます。次回、この取り扱いについて紹介したいと思います。