相続は、手間がかかる

広大地評価の改正

石川県の相続税専門税理士

金沢市、野々市市、白山市、小松市を中心に活動しています!

ブログをお読みいただき、ありがとうございます。

 

複数回にわたり、平成29年に行われた改正項目を解説しています。

今回は、土地の評価方法について行われた改正を紹介いたします。

 

〔 改正内容 〕

    広大地の評価について、従来の面積に比例的に減額する方法から、

  各土地の個性に応じて 形状、面積に基づき評価する方法へと

  適用要件が明確化されました。

 

  改正後は、「 地積規模の大きな宅地の評価 」として、適用要件が新設されます。

 

〔 適用要件 〕

  ・ 地積規模の大きな宅地である

      三大都市圏   →    500㎡以上の地積の宅地

      それ以外の地域 → 1,000㎡以上の地積の宅地

 

    ・  普通商業・併用住宅地区 および 普通住宅地区 に所在していること

       

   上記の要件に該当する場合は、   

   評価した宅地の価額 × 規模格差補正率 を乗じて 評価することになりました。

 

 ☆ 改正が行われた背景は …

   従前の広大地評価は、面積に応じて比例的に減額する評価方法であったため、

   実際の土地の形状を考慮して決められる 実際の取引価格と 相続税評価額の金額が

   乖離する事例が多く発生していました。

 

 今回、適用要件の明確化が図られたことにより、① 地積 と ② 宅地が所在する地域

 という明確な基準のみで 判定できることになりました。

 

 ◎ 改正が与える影響

   改正前の方法では、面積に応じて 比例的に減額される補正率が大きいものでした。

   今回の改正で、この減額割合は 縮小傾向にあります。

       したがって、納税者によっては、評価額が上昇する可能性があります。

   一方で、適用要件が明確になったことにより、これまで適用できなかった宅地が

   「 地積規模の大きな宅地の評価 」に該当し、評価減できる可能性が出てきました。

 

  ※ この改正は、平成30年1月1日以後に 相続等により取得した財産の評価について

    適用されます。