石川県の相続税専門税理士
金沢市、野々市市、白山市、小松市を中心に活動しています!
ブログをお読みいただき、ありがとうございます。
複数回にわたり、平成29年に行われた改正項目を解説しています。
前回から 非上場株式の評価方法について 見直された項目のうち、
影響が大きいものを紹介しています。
今回は、会社規模の判定基準について行われた改正です。
〔 改正内容 〕
中会社および大会社の範囲が 総じて拡大されました。
非上場株式は、まず、会社の規模を大、中、小 に分けて、
それぞれ異なる方法で評価します。
大、中、小 のどれになるかは、会社の総資産・従業員数・取引金額で判定します。
☆ 大会社 … 原則として、類似業種比準価額方式 により評価します。
☆ 小会社 … 原則として、純資産価額方式 により評価します。
※ 純資産価額方式は、会社の総資産や負債を相続税評価額で評価し、
その評価した総資産の価額から 負債や評価差額に対する 法人税等相当額を
差し引いた 残りの金額により評価する方法です。
☆ 中会社 … 大会社と小会社の評価方法を併用して評価します。
〔 株価に与える影響 〕
今回の改正で、中会社および大会社の範囲が 総じて拡大されたことにより、
◎ 中会社 → 大会社 に該当することとなった場合は、
株価が下がることが予想されます。
※ 大会社に該当すれば、純資産価額方式ではなく、類似業種比準価額方式が
適用できます。
一般的に、類似業種比準価額方式のほうが 純資産価額方式よりも
株価が低く評価される傾向にあるため、相続税、贈与税、譲渡時における所得税
などの税負担が軽くなります。
◎ 中会社 → 大会社 に該当することにより、
新たに 土地保有特定会社に該当することとなった場合は、
株価が上がることが予想されます。
※ 土地保有特定会社に該当した場合は、 純資産価額方式による評価が必要です。
土地保有特定会社 … 大会社 土地保有割合 ≧ 70% で該当
中会社 土地保有割合 ≧ 90% で該当
例えば、土地保有割合 ≧ 80%の会社について
中会社の場合は、土地保有特定会社に該当しませんが、
大会社になった場合は、土地保有特定会社に該当することになります。
※ この改正は、平成29年1月1日以後の相続、遺贈または贈与について適用されます。
今回、行われた非上場株式の評価方法についての改正は、
株価への影響が大きいものばかりでした。
定期的に 株価を計算している会社についても、この改正を踏まえて
自社の株価を把握し、対策していく必要があるのではないでしょうか。