相続は、手間がかかる

遺産分割前に配偶者が死亡した場合の配偶者の税額軽減

 石川県の相続税専門税理士

 金沢市、野々市市、白山市、小松市を中心に活動しています!

 ブログをお読みいただきありがとうございます。

 

 前回まで、家族が同時に亡くなった場合の課税関係について、お話させて頂きました。

 今回は、遺産分割前に相続人である配偶者が亡くなったケースを紹介いたします。

 

 〔 家族構成 〕

  父 : 太郎

  母 : 花子

  長男: 一郎

  長女: ひとみ

 

  太郎さんは、平成29年1月に死亡しました。

  相続人の花子さん、一郎さん、ひとみさんが遺産分割協議を進めていたところ、

  平成29年5月、花子さんが急逝しました。

  このような場合、父:太郎さんの相続については、

  花子さんの相続人である一郎さん、ひとみさんが 花子さんの立場で

  遺産分割協議をすることになります。

 

  花子さんは、太郎さんから相続した財産にかかる相続税について、

  「 配偶者の税額軽減制度 」を適用できる予定でした。

 

  〔 質問 〕

        一郎さんとひとみさんは、今回、花子さんの申告を代わって行いますが、

   本来、母が受けるべきであった配偶者の税額軽減制度の適用を

   受けることができるでしょうか。

 

  〔 回答 〕

         配偶者の税額軽減制度の適用を受けることができます。

 

  〔 解説 〕

   原則的に、相続税の申告期限までに分割されていない財産は、

   税額軽減の対象にはなりません。

   しかし、遺産分割前に配偶者が死亡した場合に、配偶者の相続人である

   一郎さんとひとみさんが、分割協議において花子さんの取得した財産として

   確定させたものがあるときは、その取得額をもとに軽減の適用を受けることができます。

 

   ☆ 配偶者の税額軽減とは

     亡くなった夫(または妻)の配偶者が 遺産分割や遺贈により、実際に取得した

     正味の遺産額が、次の金額のどちらか多い金額までは、配偶者に相続税はかからない

     という制度です。

      ① 1億6千万円

      ② 配偶者の法定相続分相当額